相続税の基礎知識(遺産の分割について 郡山 相続) 

query_builder 2020/07/30
1.遺産分割の基準
 民法の定めにより、【 相続財産の分割は、「物」・「権利」・「各相続人の年齢」・「職業」・「心身の状態」・「生活の状況」・「その他一切の事情」等を考慮してしなければならない。】とされております。
2.分割の実行
 民法の定めにより、「相続財産の分割の協議・審判」は、遺言により相続財産の分割が禁止されていない場合の遺産分割の実行について規定されています。
 (1)遺産分割の協議をすることができる場合は、「成立」すれば相続人の全員で分割を行う。又は「不成立」の場合は、家庭裁判所の審判により分割する。
    また、分割には、三つの方法があります。
    ① 分割の原則的方法である「現物分割」です。これは、遺産を現物のまま分割する方法です。
    ② 共同相続人の一人又は数人が現物を取得し、他の共同相続人に対し現金を支払う分割の方法で、「代償分割」といいます。
    ③ 共同相続人で、相続した財産の全部又は一部を金銭に換価して、その換価代金を分割する方法で、「換価分割」といいます。 
3.遺産分割手続きと利益相反行為
 共同相続人の中に、未成年の子がいる場合等には、このままでは相続財産の分割手続きを行うことができません。
 この場合は、親権者が、未成年の子のために「特別代理人」の選任を家庭裁判所に請求し、その特別代理人と相続財産の分割手続きを行うことになります。
 この手続きを行わないまま、相続財産の分割手続きをすると、無権代理行為とされ相続財産の分割手続きが無効とされてしまったりします。 
4.相続財産分割の遡及効
 相続財産の分割の効力は、相続開始の時に遡って生じることになります。各相続人は、相続財産の分割によって亡くなられた方から直接に相続によって取得したことになります。
 最後になりますが、この「相続財産の分割」については、いろいろと問題になることが多く、「家族みんな仲が良いから大丈夫」とか「もめるほど相続財産は無いから」等と考えずに、
相続で財産を渡す側も、もらう側も、将来相続が発生し「納税資金に困った」とか「遺産分割で揉めてしまった」とならないように、困っていない生前のうちに対策を考えることも大切である
ということに気づいていただければと思います。