郡山 相続  「具体的相続分」について

query_builder 2023/03/16
5D4_4395修正済み

まず、注意していただきたいのは、民法に定められている「法定相続分」は、次のように、特別の場合には、これが修正されるということです。

 この特別の場合とは、次の2つがあります。

 1つは、被相続人が遺言で、相続人の相続分を指定した場合であり、これを「指定相続分」といいます。

 もう1つは、相続人の中に被相続人から生前贈与を受けていたり、遺贈を受けた者があるときは、この者が受けた利益を特別受益として、法定相続分から差し引くということがあります。

ただし、被相続人は、生前贈与や遺贈について、特別受益を持ち戻したうえ差し引くことを免除する、すなわち、持戻しの免除の意思を表示することができます。

 また、持戻しの免除については、配偶者について、平成30年7月の改正民法により、婚姻期間が20年以上の夫婦の一方である被相続人が、他方に居住用建物又はその敷地について遺贈または贈与をしたときは、持戻しの免除の意思を表示したものと推定する規定が設けられました。

 さらに、相続人の中に、被相続人の財産の増加もしくは維持に寄与した者がいれば、相続財産から寄与分を差し引いたものを相続財産とみなしたうえで、各相続人の本来の相続分を算定して、寄与をした者については、これに寄与分を加えた額を相続分とします。

 このように、特別受益や寄与分により修正された相続分を「具体的相続分」といいます。

したがって、長男であるからとか、跡取りであるからという理由で父親の財産を全部相続するということはありません。子供は均等相続により平等な相続分を有することが原則となっています。