郡山　相続　[ 長期間経過後の遺産分割について教えてほしい ］ | 郡山市をはじめ福島で重ねてきた相続経験をブログでわかりやすくご紹介しております

【 質問 】私の父と母が相次いで亡くなり、私の住んでいる所と離れた場所に、遺産となる不動

　　　　産が遺されました。

　　　　  相続人は、私、弟、妹の３人ですが、3人とも、亡くなった父母の家に住むつもりは

　　　　ありません。

　　　　  このような場合、遺産分割をしないでいるとどのような問題が起きるのでしょうか。

【 回答 】民法等の改正（令和３年法律２４号）により、相続人間で早い時期に遺産分割協議を

　　　　成立させて、遺産共有を解消することが求められるようになりました。

　　　　  まず、「遺産分割協議の期限」ですが、とくに遺産分割協議についての期限はありま

　　　　せんから、相続人間で協議が成立するまで時間がかかること自体に問題はありません。

　　　　  しかし、遺産分割協議がまとまらないことにより、相続人に次のような不利益が生じ

　　　　ることや、所有者不明土地が発生することから、民法改正等による変更がなされまし

　　　　た。

　　　　  遺産分割協議がまとまらないことによる不利益として、

　　　　　①　相続税について、配偶者控除や小規模宅地等の特例などの税額軽減の特例の適用

　　　　　　が受けられない可能性があります。

　　　　　②　相続が発生した後、遺産分割協議が成立するまで相続人が遺産を共有している状

　　　　　　態になります。そのような状態ですと、共有物について、処分をするには共有者全

　　　　　　員の同意が必要になりますし、管理は共有持分の過半数の賛成が必要になりますの

　　　　　　で、他の相続人が反対するとできないことがあります。

　　　　　③　時間が経過してしまうと、二次相続が発生することもあり、遺産分割協議が一層

　　　　　　まとまりづらくなる恐れがあります。