相続財産の一部を社会貢献のために寄附したい  郡山 相続

query_builder 2022/01/16
ブログ
鈴木文弘税理士事務所

 私の相続人は妻のみです。私の財産としては預貯金、先祖代々の土地及び同族会社の株式を100%保有して経営している株式です。

 妻に対しては、私の死後も生活に困らない預貯金を残すことができるので、財産の一部を社会貢献のために寄附したいと考えております。

 そこで、寄附について、税制上の仕組みや留意することがあれば教えていただきたいと思います。


【 回答 】

 寄付の方法については、次の5つが考えられます。

 ① 生前に財産を国等に寄附をする。

 ② 生前に同族会社が財産を国等に寄附をする。

 ③ 公益法人等に財産を寄附した場合における譲渡所得等の非課税の特例を活用する。

 ④ 相続人である妻が相続財産を国等に寄附をする。

 ⑤ 遺贈による寄附をする。

 

【留意点】 

 ① 所得税及び住民税の両方において、寄附をした金額の全額が控除の対象となるわけではあ

  りません。寄附をする者の所得に応じて決まることとされています。また、住民税について

  は、国や政党等への寄附は対象とはなりません。

 ② 同族会社の預貯金を寄附することにより、会社の資産比率が変動し、土地保有特定会社に

  該当するなど、一般的に株価が低くなる類似業種比準方式が使えず、株式の評価額が増加し

  て、相続税の負担が増加してしまう場合があります。

 ③ 譲渡所得が非課税となるためには、国税庁長官の非課税承認を受ける必要があり、この承

  認が受けられなかった場合、譲渡所得税が課税されてしまいます。確実に本特例の適用が受

  けられるように、必要な書類を期限までに提出できるよう準備が必要となります。

 ④ 公益法人等への寄附であっても、その法人を設立するための寄附行為や財産の提供につい

  ては、非課税とはなりません。また、相続人が相続財産を寄附する必要がありますので、相

  続財産を換金して寄附をした場合や相続人自身の財産を寄附した場合にも本特例の適用があ

  りません。

 ⑤ 先祖代々の土地などを寄附する場合には、その含み益に対して譲渡所得税が課税され、相

  続人である妻に税負担が生じることがあります。


 以上のような方法があり、財産を社会貢献のために寄附する場合には、どのような方法が有効であるのか事前に検討することが大切であると思います。


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