郡山 相続 [ 不当な利益を目的とせず、遺言書を破棄したときは? ]
【 質問 】私の父親が亡くなり、全財産を私に相続させるという遺言書が見つかりました。
しかし私は、弟や妹にも相続してもらった方が良いと考え、遺言書のことを話さず
に、兄弟3人で、遺産を分割する協議を成立させるとともに遺言書を破棄してしまいま
した。
ところが後になって、弟は、私が遺言書を破棄したのだから相続欠格者であり相続人
になれないはずだ、遺産は弟と妹の2人で分けると言い出しました。
このような場合、私は相続欠格者にあたり相続することができないのでしょうか。
【 回答 】結論から申し上げますと、遺言書を破棄する行為が、相続に関して不当な利益を目的
とするものであるとは認められませんから、相続欠格者には該当しないと考えられま
す。
参考となる法令として、最高裁判所判決平成9年1月28日があります。
自己に有利な遺言書を破棄または隠匿した相続人について、相続に関して不当な利益を得
ることを目的とするものでなかったときは、相続欠格者にはあたらないものとしました。
その理由とするところは、遺言書の破棄または隠匿行為を相続欠格事由とする趣旨は、遺
言に関し著しく不当な干渉行為をした相続人に対して相続人となる資格を失わせるという民
事上の制裁を課そうとするところにあるとし、遺言書の破棄または隠匿行為が相続に関して
不当な利益を目的とするものでなかったときは、これを遺言に関する著しく不当な干渉行為
ということはできず、このような行為をした者に相続人となる資格を失わせる等厳しい制裁
を課することは、民法に定める相続欠格事由の趣旨に添わないからであるとしました。
なお、遺言書の検認制度というものがあり、遺言書がある場合は、家庭裁判所の手続きを速
やかに行うことが必要です。
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